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大学概要

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学長メッセージ

Message from the President

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平成27年度 学位記授与式 餞の言葉

 ご卒業おめでとうございます。
 木々の芽吹きも感じられる穏やかな季節、青葉山の緑にも勢いを感じます。

 みなさまは、本日、めでたく、宮城教育大学の学部を、あるいは大学院の課程を修了され、学位記を授与されました。心からお祝い申し上げます。

 本学は教員養成を目的とした東北における唯一の単科教育大学として、昭和40年に東北大学から分離、創設されて、今年度で50周年を迎えました。 この50年の間に、約18,000名の学生が本学を卒業し、東北地方を中心に、北海道から沖縄に至る全国各地で、教師として、公務員やあるいは企業人としてなど、様々な分野で活躍しておられます。 本日は、新たに学部生343名、修士課程27名、教職大学院28名が、さまざまな社会に巣立たれます。

 みなさま卒業生を巡る状況は、創設の頃とは大きく変わろうとしています。現代は、グローバル化の急速な進展、AIの発達やビッグデータの活用などICTの発展による社会変革の時代にあります。 そして、教育の世界も、パラダイムの転換が起ころうとしています。これからの教師に求められる資質能力は、思考力・判断力・表現力等を育成するような学びのデザイン力、そして、社会の変化に伴う新たな課題に柔軟に対応できる広い視野や応用力であると言われています。

 “教える”という時代から、子どもそれぞれが“自ら学ぶ”ように導く時代、つまりアクティブ・ラーニングへの転換が図られようとしています。そのためには、教師には良きファシリテーターとしての能力も求められています。 もはや、これまでの教師という目線での指導だけでは、子どもたちに新たな資質、能力の向上を図ることは望めません。これからは教師としての専門力に加え、幅広い知識と柔軟な思考力に基づく判断が一層重要になります。

 今、このような時代にあって、教師は、理論と実践の往還の中で、「生涯学び続ける存在」である、と強くいわれるようになりました。本学において、「生涯学び続ける」という精神は、創設の頃からの伝統です。 このことは、過去において、いわゆる卒業式を行わなかった一時期があった、という歴史をみても理解いただけるかと思います。現在はこの精神を「イノベーティブ・ティーチャー」という言葉に言い換え、時代の変化への対応という想いも込め、推進しています。 したがって、本日のこの場は、“学業を学び納める機会”ではなく、人生の中での、“学びの一里塚”の一つであるということです。

 みなさまは、東日本大震災からの復興の時期に、大学生活を送られました。被災地の人びとにとって、復興の希望は、「将来を担う子どもたちへの期待」です。子どもたちが、将来、「あの地震さえ無ければ、・・・」と、悔いの人生を送らないため、どうか、子どもたちに寄り添い、支えてあげていただきたいと思います。
 また、教師以外の職業、進路を選ぶにしても、それぞれの立場で、子どもたちを、そして地域を支えてください。地域は、みなさまの力を必要としています。

 さて、みなさまの在学中、社会では辛い出来事が多い中、明るいニュースもありました。その一つが、日本が打ち上げた宇宙探査機「あかつき」の成功です。
あかつきは2010年12月、金星の周回軌道に入ろうとしましたが、主エンジンが破損し失敗。しかし、再び金星に近づくチャンスをじっと待ち、ちょうど5年後の昨年12月に、姿勢制御用エンジンを使って再挑戦し、奇跡的に成功して、日本初の惑星探査が始まりました。諦めてはいけない、レジリエンスに通じる心を教えてくれました。

 教師になる、ならないにかかわらず、子どもたちには、一度の失敗で挫けること無く、困難を乗り越えられるレジリエンスの大切さを示して、伝えていただきたいと思います 。レジリエンスという言葉は、東日本大震災の後、度々言われたことばですが、「精神的回復力」、「復元力」、「逆境から立ち直る力」、「折れない心」、などとも訳される心理学用語であると聞きます。

 厳しい状況でもネガティブな面だけではなくポジティブな面を見いだす事ができる人が、逆境を乗り越える事ができるのです。みなさま自身のレジリエンス力を強め、子どもたちへも、それを伝えていただきたいと思います。

 宮城教育大学は、広域拠点型の国立教育大学としてのミッションを果たすために、これからも一層、努力してまいります。

 創立50周年という記念すべき年に、巣立たれるみなさまにとって、前途が、希望に満ちた充実した道でありますよう心から祈念し、学位記授与式に臨んでの餞の言葉といたします。
   
   平成28年3月25日


国立大学法人 宮城教育大学長  見上 一幸





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