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大学概要

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学長メッセージ

Message from the President

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平成26年度 学位記授与式 餞の言葉

みなさま、ご卒業おめでとうございます。
三寒四温、木々の芽吹きも感じられる穏やかな季節となりました。
みなさまは、本日、めでたく、宮城教育大学の学部を、あるいは大学院の課程を修了され、この学位記授与式において、学位記を授与されました。
宮城教育大学では、創設の頃から、いわゆる卒業式を行わなかった一時期があります。それは、教師というのは、理論と実践の往還の中で、生涯学び続ける存在であって、決して卒業をもって学び納めることではないからです。

さて、思い起こせば、学部のみなさまは、震災直後の混乱の中で入学式もないまま入学され、復興の中で耐え、学び、向上して、今、新たな世界に向かって学び舎を巣立とうとされています。 そして、大学院のみなさまは、地元の震災復興も気になりながら、自らを磨いた大学院生活ではなかったかと思います。
被災地の人びとにとって、地域復興の希望は「将来を担う子どもたちへの期待」です。教師になるみなさまは、どうか、苦難に直面した子どもたちに寄り添い、支えてあげていただきたいと思います。
また、教師以外の職業、進路を選ぶにしても、それぞれの立場で、子どもたちを、そして地域を支えてください。地域は、復興から地域創生に向かう時であり、今こそ、みなさんの力を必要としています。

本学は、一昨年、広域拠点型の国立教育大学として、そのミッションを新たにしました。これまでも東北における教育の中核大学としての役割を果たすべく努力してまいりましたが、これからもその道を一層、力強く進めてまいります。

教育の現場には、さまざまな課題があります。 本日卒業されるみなさまの中には、教師になられる人が多いと思いますが、皆さんが教える子どもたちが大人になったとき、職業の種類は、現在とは大きく異なると云われています。
そうであればこそ、一層、教師は教職生活全体を通じて学び続け、高度な資質能力を身に付けていく専門家でなければなりません。

そして、これからの教師に求められる資質能力は、思考力・判断力・表現力等を育成するような学びのデザイン力、そして、社会の変化に伴う新たな課題に柔軟に対応できる広い視野や応用力であると言われています。 “教える”という時代から、子どもそれぞれが“自ら学ぶ”ように導く時代、つまりアクティブ・ラーニングへの転換が図られようとしています。

本学は、ディプロマ・ポリシーの中で、「強い使命感と責任感を持ち、豊かな人間力を具えた教師」を謳っております。
この人間力には、さまざまな意味が込められておりますが、その一つが、「やさしさ」、「いたわりの心」です。
日々の生活でも、学校でも、いじめが減らない社会であればこそ、「他人の痛みを感じること」、「やさしさ」、「いたわりの心」は大切です。

みなさまもご記憶かと思いますが、作家、司馬遼太郎は、著書である「二十一世紀を生きる君たちへ」の中で、
自然物としての人間は、決して孤立して生きられるようにはつくられていない。このため、助け合う、ということが、人間にとって、大きな道徳になっている。
助け合うという気持ちや行動のもとのもとは、いたわりという感情である。
「いたわり」、「他人の痛みを感じること」、「やさしさ」は、人にとって本能ではない。だから、私たちは訓練をしてそれを身につけねばならない・・・と言っています。

「いたわり」や「やさしさ」は、本能ではなく、訓練をして身につけるものとした、この司馬遼太郎の言葉を忘れてはならないように思います。
私たちは生涯学び続ける中で、この「いたわり」や「やさしさ」の訓練を常に続けたいものです。

今、教育の分野では、義務教育で、高大接続で、国立大学の在り方で、改革が議論され、進められています。さらに、東日本大震災後の被災地では、子どもたちや学校の先生方の心の問題の顕在化など、さまざまな課題を抱えています。

本学は、このように難しい時なればこそ、地域の教育資源や教育力を活用し、イノベーティブ・ティーチャー、すなわち “生涯学び続ける教師” の育成を通じて、地域の教育の向上に努力してまいります。

我が宮城教育大学は、今年、創立五十周年になります。みなさまが、宮城教育大学を卒業されたことを誇れる大学として、これからも一層、その存在を広く社会に示すよう努力してまいります。

結びにあたり、みなさまの前途が、健やかで希望に満ちた充実した道でありますよう心から祈念し、学位記授与に臨んでの餞(はなむけ)の言葉といたします。

    平成27年3月25日

国立大学法人 宮城教育大学長  見上 一幸

        
 



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