ここからサイト共通メニューです。

サイト共通メニューをスキップします。
 

大学概要

clear

学長メッセージ

Message from the President

clear

平成25年度 入学式 告辞

 学部のみなさん、修士課程のみなさん、そして教職大学院のみなさん、ご入学おめでとうございます。

 東日本大震災から2年、厳しい学習環境の中で努力し、今、ここに入学式を迎えられたみなさまに、心からエールを贈ります。

 教師を目指して勉強をしてきた多くの仲間の中で、みなさまは、選ばれて、この席におられます。この与えられた機会を、大事にして下さい。

 しかしまだ、入学式というスタートに立ったに過ぎません。
これから何を学ぶか、何を考え、努力するかによって、本学に在籍することの意味が変わってきます。今日から、夢の実現への歩みが始まります。

 専門力を磨いて下さい。
 創造力と感性を磨いて下さい。
 そして、人間力を磨いて下さい。

 宮城教育大学は、全国に11ある国立の教育大学の一つでありますが、東北地域では唯一であり、東北地方の教育の核となり、日本の教育に貢献できるよう努力してまいります。

 本学は、教師となるための充実したカリキュラムと、それぞれの分野で優れた教授陣を揃えています。また、現代の教育的課題に応えるために、5つの教育研究センターを持っており、教育環境の整備にも努力しております。そして、常に教育をリードする大学でありたいと思っております。

 改めて言うまでもなく、宮城教育大学は、みなさんを優れた教育者として世に送り出すという使命を持っています。教授陣は約120名と、決して大きくはない大学ですが、およそ学部学生3人に一人の教員ということになり、たいへんに恵まれた環境といえます。
 朝日新聞のアンケート調査で、国内の大学で、最も学生の面倒見のよい大学に選ばれたこともあります。

 先生方の専門も、教育学はいうまでもなく、数学や自然科学から、人文社会科学、特別支援教育、芸術と多彩で、優れた教授陣を揃えております。
 全国で約860ある大学の中で、本学の科学研究費の採択率が、東北大学などにも近い、25位であったことからも、そのレベルの高さをご理解いただけると思います。
 これらの教授陣と語り、友と語り、実習先のそれぞれの夢を持つ子どもたちと語り、たくさんの人から学んで欲しいと思います。

 現在、人類は、経済活動によってもたらされた気候変動などの負の遺産により、その持続可能性が危ぶまれています。
 残念ながら、この度の東日本大震災は、人類が自然災害の前にいかに弱い存在であるかを示したように思います。
 われわれ人類の社会が持続可能であるために、若者の教育こそがその基本になると思います。

 そのような社会からの期待の中で、今、残念ながら、日本では「勉強しない大学生」が話題になっています。そして、「勉強しない大学生」を作り出している大学の責任が問われてもいます。
 昨年の中央教育審議会の調査によれば、授業時間も含めて、一日の勉強時間は、4.6時間で、ほとんど予習も復習も行なっていないようです。
 残念なことですが、数字から見れば、先進国の中でも、発展途上国の大学と比べても、勉強しているとはいえません。

 ここにいるみなさんは、決してそう言われないように、こころがけて欲しいと思います。
 大学生活を決して無為に過ごすことのないように、日々精進していただきたいと心から願います。

 大学では、「専門力」を磨いて下さい。
 現代は、高度情報化社会といわれます。グローバルに行き交う情報の嵐の中で、瞬時に真偽を判断し、行動を求められることの多い時代です。
 必要な知識は、インターネットを介して瞬時に知ることができます。
 しかし、インターネットで得た情報と、自らが行って得た体験では全く異なるものです。
 現実の世界は、もっと多様で、もっと刺激的で、もっとわくわくする世界です。
 広く知るジェネラリストから、深く知る専門家を目指して下さい。
広い知識を記憶することが大事なのではなく、考えることが大切です。

 ですから、大学で授業を受け、レポートを作成しようとするとき、ウィキペディアからコピー&ペーストしていたのでは、十分な理解につながりません。
 教える先生が、学問に興味もなく、創造力がないのに、子どもたちの創造力を育むことなどできません。まして、学ぶことの喜びを伝えることなどできません。
 是非、宮城教育大学で、学問と出会い、学問を深めて欲しいと思います。きっとみなさんに大きな喜びを与えてくれます。

 次に、創造力と感性を磨いて下さい。
 創造力や感性は、さまざまな実体験、経験によって培われるものであろうと思います。宮城教育大学では、カリキュラムの中でも、あるいはカリキュラム外にも、さまざまな体験の機会があります。積極的に参加して下さい。

 また、人間力を磨いて下さい。
 人間力という言葉は、たいへんに抽象的で幅の広い意味を含みますが、人として子どもたちと向き合い、寄り添う教師にとって、“子どもたちから信頼される力”でもあると思います。

 感性、創造力、人間力といった、これらの力は、カリキュラムの中で培うだけでなく、教育現場での実習、ボランティア活動やサークル活動、留学生との交流、海外での研修への参加、仲間とのさまざまな体験活動を通じても養えます。

 宮城教育大学は、みなさんの自主的な活動を助けるために、自主ゼミやサークルを立ち上げようとするときの支援もしております。
 そして、被災地では、今なお、他所の学校を借りて勉強している子どもたちや、大切な家族を失い、心の傷を深く負った子どもたちもたくさんおり、そのための支援体制も整えました。
 被災した子どもたちを支援するボランティア活動に、是非、参加して下さい。

 人間力の育成には、グローバルな視点も重要です。現在、日本から海外への留学者数は、2004年をピークに減少していることから、今の大学生が “内向き”といわれます。
 今は、日本の学校が海外の学校と交流を進める時代です。ですから、大学では、留学生との交流や、留学など海外経験をもつことが大事です。本学は、9カ国12の大学や研究機関と連携を進めていますし、授業での短期の研修もありますので、できれば是非、参加して下さい。

 宮城教育大学は、みなさんが、“生涯学び続け、主体的に考える力”を身につけてくれることを願っています。
 大学は、自ら学ぶ場です。自ら学ぶ、本から学ぶ、人から学ぶ、そして経験から学んで下さい。

 教師という仕事は、たいへん難しい仕事ですが、やりがいのある仕事です。みなさんは、さまざまな厳しい境遇の子どもに寄り添い、支えてあげられる教師になって下さい。

 専門力を磨いて下さい。
 創造力と感性を磨いて下さい。
 そして、人間力を磨いて下さい。

 そのためには、今が大切です。明日といわずに、今日から、初心を忘れず、高い志に向かって進んでください。

 諸君の実り多き前途を祝して、告辞といたします。


平成25年4月3日           

国立大学法人 宮城教育大学長  見上一幸




clear
先頭へ戻る