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大学概要

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学長メッセージ

Message from the President

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平成24年度 学位記授与式 餞の言葉

 みなさん、卒業おめでとうございます。
 ニ年前、東日本大震災が起こり、被災地では、多くのかけがえのない命と財産を失いました。みなさんの中にも、身近な方を失った人もおられるかも知れません。心からご冥福をお祈りいたします。
 そして私たちが、こうしてみなさんとともに、卒業を祝えることに感謝いたします。

 みなさんは、めでたく、本日で、宮城教育大学の学部を、あるいは大学院を修了しました。学部学生は四年間、大学院学生は二年間、それぞれに努力され、所定の単位を修得されました。サークル活動、ボランティア活動、あるいはアルバイトと、カリキュラム以外のさまざまな体験もされ、嬉しかったこと、悔しかったこと、辛かったこと、いろいろとあったことと思います。また、多くの友とも出会い、信頼できる師にも巡り会えたことを期待します。大学での経験を糧に、一層充実した新たな人生を歩んで下さい。

 本学を卒業された多くのみなさんは、教員に、あるいは何らかの形で“教える”という立場に立たれるのではないかと思います。
 どのような職業、進路を選ぶにしても、ここで学んだ成果を、是非、社会のために、人々のために生かしていただきたいと思います。
 さて、卒業とは何か、考えたことはありますでしょうか。型通り言えば、卒業とは、学校の規定の全課程を修了したということになります。
 みなさんは、小学校、中学校、高等学校を卒業し、今大学、更には大学院を卒業しようとしています。
 現職の教員で本学の教職大学院を修了される皆様は、よくお分かりのとおり、大学の学部を卒業したからと云って、学業が完成したとはいえないということです。だからこそ、教職大学院に入り、さらに学んだということでしょう。大学を卒業したからと云って、学びが完了したわけではありません。それは、教師という仕事であればなおさらです。

 昨年の8月、国の教育行政を検討する機関である、中央教育審議会は、「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」という答申を出しました。ここでは、社会の急速な進展の中で、知識・技能の絶えざる刷新が必要であることから、教師は探究力を持ち、学び続ける存在であるという、「学び続ける教員像」を謳っております。
 すでに本学は、このことを、創設の頃から、大事にしてまいりました。このことを理由に、宮城教育大学は一時期、卒業式を行わない時期があったことからも分かっていただけると思います。

 本日、この卒業式にあたり、みなさんが、卒業後も、「学び続ける存在」であって欲しいと思います。たとえ教師としての道に進まないとしても、「人生に卒業はないのだ」ということを改めて認識してください。
 教師が一生勉強であるということは、現代の特別な状況だからだけなく、少なくとも人を教えるという立場の者は、常に学ぶことから離れてはいけません。常に、真理の前には謙虚であって欲しいと思います。
 卒業は、大学での、大学院での課程を終了したにすぎません。子どもたちから、「なぜ勉強するの?」とか、「勉強って面白いの?」と聞かれたら、答えられる教師、ともに考えられる教師になっていただきたい。そのためには、教師は常に、“学び続ける存在”であって欲しいのです。

 教育の現場では、いじめや体罰などをはじめ、さまざまな課題があります。学校では、「上から“教える”という時代」から、「子どもそれぞれが“自ら学ぶ”ように導く時代」へ移りつつあります。
 そして、そのことから、例えば、クリティカル・シンキング、システム・シンキング、ホリスティック・シンキングの重要性などが言われ、PISA型学力なども言われております。

 さて、震災後の被災地では、復興の歩みは遅く、人々の心の傷は、癒えるどころか、ますます深くつらいものになって増幅しているように思われます。この度の震災について、「千年に一度の災害だから仕方ない」という言い訳で、この辛い災害を、風化させてはなりません。被災地の人びとは、地域復興の苦悩との戦いの日々の中で、唯一の希望は、「将来を担う子どもたちへの期待」です。
 この度の大規模地震が起こった直後は、教育は無力であったのではないか、私もそう感じました。それほどに大きな災害でした。しかし、それは間もなく間違いであったことに気づきました。
 防災教育は、しっかり減災につながっているという知らせが数多く入ってきました。その結果、人智を越える災害であっても、教育の効果を確信できるようになりました。
 子どもたちには、この震災に挫(くじ)けず、大きな夢を抱き、高い志を持って歩んで欲しいと願います。その志や夢を実現するために、みなさんの力を必要としています。被災した子どもたちは、みなさんの助けを待っています。子どもたちが、夢を、志を忘れないように、しっかり寄り添って、支えていただきたいと思います。
 本学では、充実したカリキュラムと優れた教授陣を揃え、日々、向上を目指しながら、教師教育を行っていると自負しており、今後も一層努力してまいります。これからも東北の教育の中核大学としての役割を果たしてまいります。

 ときどきは、母校のホームページをご覧戴き、大学の様子を知り、恩師の先生方には、折りに触れ近況をお知らせください。そして、いつでも気軽に母校に来て下さい。そして、みなさんが生涯「学び続ける」過程で、母校を大いに活用して下さい。宮城教育大学は、教育大学として、一生みなさまと共に在り、共に歩める大学でありたいと思います。
 みなさんが学校や地域の、ヤング・リーダーとして、あるいはミドル・リーダーとして、教育界に大いに貢献して下さることを期待しております。
 みなさまの前途が、希望に満ちた充実した道でありますよう心から祈念し、卒業に臨んでの餞(はなむけ)の言葉といたします。


平成25年3月25日           

国立大学法人 宮城教育大学長  見上 一幸

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